お雛様のお口になんかある!?

お雛人形をご購入・ご検討するときって、どこから見はじめますか?

ひな人形を選ぶとなれば、重要なのはやっぱり「お顔」と「お衣裳」ですよね。
どちらを先にご覧になるかはみなさんそれぞれですけど、「お顔」からご覧になる方のほうが多いようです。

あんなにしっかり見ていたはずなのにこんなだったっけ?

その「お顔」なんですが、意外と見過ごしがちなのが「お口」。
ご購入後にお家へお届けした後に、
「あの~、口の中になにか有るんですけど・・・」
「唇に白く後から塗ったみたいになっているんですけど・・・」

なんてご連絡があることが。。。

実はその部分、後から描き入れているんです。
「お姫様の上下の唇の間にある白い部分」は、「歯」を表現しているんですよ。
お雛様飾りは「結婚式の様子」を表しています。
両側に雪洞(ぼんぼり)を立て、屏風の前で結婚式をしているようすですね。
結婚式という幸せのひとときですので、お姫様は喜んでいるのです。
ですので、少しはにかんでお笑いになっているため、歯が見えるのです。
大笑いしているのではちょっとはしたないですから、少し歯が覗く程度です。

時代とともに変わる美人の基準

昔はもっとリアルに「お歯黒」だったり「舌(べろ)」があったりしましたが、お人形自体の小型化や健康的な感じを表現するために、現在のように簡素化されて表現するようになりました。
口紅の色はまさに真っかっかだけの深紅の赤色だけだったのですが、ここ数年は美人の基準やお化粧の流行などもあってピンク系やオレンジ系の赤色も取り入れられることが多くなってきました。

変えていくもの変えられないもの。こだわりは細部にまで

口紅の色の変化に伴い、歯の色もお歯黒だけではなく白い歯や部分的に少しだけ色を差す程度にしたりと変わってきたのです。
もちろん今でもお歯黒を採用している場合は、お口の中心部に黒色を描き入れたりしています。
サイズや表情、全体的な特徴やお化粧の差し方で歯の色や入れ方も変えているのです。
こんな細かいところにまでそれぞれの職人さんがこだわりを持って造っているんですよ♪

一口に「お口」と言っても、それぞれがけっこう違っているので、
そんな細かいところを見比べてみるのも面白いかもしれませんね。